肺高血圧症の病態の解明、診断能と治療成績の向上、および治療指針の確立をはかり、貢献することを目的として活動を行っております

本学会について

理事長 就任のご挨拶

日本肺高血圧・肺循環学会 理事長 福本 義弘(久留米大学医学部 内科学講座心臓・血管内科部門 主任教授)

久留米大学医学部 内科学講座心臓・血管内科部門 主任教授 福本 義弘

この度、巽浩一郎先生、渡邉裕司先生の後を受けまして、日本肺高血圧・肺循環学会の理事長を拝命いたしました。本学会の理事長を担当させていただくことを非常に光栄に存じますとともに、今後のわが国の肺高血圧症診療の発展に寄与しなければならないという重責を考えますと、身の引き締まる思いでございます。

肺高血圧症診療は、この20数年で素晴らしい進歩を遂げております。これは病態生理の解明、著効する薬剤の開発、カテーテル治療や外科的治療手技の進歩などによるものであり、現在わが国の専門施設における肺高血圧症治療成績は世界トップレベルであります。一方、すばらしい進歩を遂げているこの領域ではありますが、肺高血圧症の治療はまだ本質的な治療を行うところまで到達していません。近い将来、病態別に根本原因を治療できるような時代が来ることを期待しているところです。

本学会は、肺高血圧症・肺循環障害を来すすべての疾患が対象となります。すなわち、呼吸器・膠原病・循環器・肝疾患領域において、小児から内科・外科まで幅広く、分野横断的なオールジャパンの学会であります。本学会が、肺高血圧症患者の皆様、医療従事者の皆様、そして研究者の皆様の情報共有・情報交換・ネットワーク形成の場となり、それぞれの分野、立場からの情報交換が活発に行われ、今後のわが国の肺高血圧症診療の発展、ひいては世界の肺血管病研究の発展につながることを期待しております。

これまでも、そしてこれからも本学会のあり方で最も重要だと考えることは、「若手の教育および育成」であります。後世に残すべきは人材であるということを踏まえて、また医療人・医学研究者の「人材の育成」というものが、今後の学会、そして医療にもっとも重要だと考えます。本学会の理念として「人材の育成」を掲げ、日本肺高血圧・肺循環学会から巣立ち、世の中に貢献できる人材を輩出するよう、引き続き、若手の教育・育成に努めて参ります。

これまで諸先輩方が築いてこられた伝統ある本学会の業績、人材育成をさらに充実・発展させるべく、皆様と共に学会運営に勤めて参りたいと存じます。そして本学会がますます、肺高血圧症診療の発展に貢献できるよう、尽力していく所存です。今後とも、ご指導・ご鞭撻をどうぞよろしくお願い申し上げます。

2024年 4月